ICLのレンズには種類がある?【EVO ICL・トーリック・乱視用の違いと選び方】

ICL

はじめに

ICL手術を検討し始めると、「EVO ICL」「ホール付きICL」「トーリックICL」など、似た用語がいくつも出てきて混乱することがあります。これらはすべてICLレンズの種類を指す言葉で、視力や乱視の有無、目の状態によって選ばれるレンズが変わります。

今回は、ICLで使われるレンズの種類と違いを整理します。レンズの世代の違い、乱視矯正用レンズの特徴、度数範囲・サイズの選び方、種類による費用への影響までを中立的に解説します。ICL手術全体の流れは「ICL手術とは?費用・流れ・リスクをわかりやすく解説」で扱っているので、手術自体の理解がまだの方はそちらもあわせてご覧ください。

ICLレンズの基本的な分類

ICLレンズは大きく分けて、「ホールの有無」「乱視矯正の有無」「度数」「サイズ」の4つの軸で種類が分かれます。すべての組み合わせのレンズがあるわけではなく、認可されている種類の中から、患者の目の状態に合わせて医師が選んでいきます。

レンズの選定は、適応検査で測定した目のサイズ・度数・乱視の有無・前房深度などのデータをもとに行われます。適応検査の内容は「ICLの適応検査とは?検査内容・費用・当日の注意点を解説」で詳しく整理しています。

従来型ICLとホール付きICL(EVO ICL)の違い

ICLレンズの大きな進化のひとつが、レンズ中央に小さな穴(ホール)が追加されたことです。穴のない従来型ICLに対し、ホールが追加されたタイプは「EVO ICL」「ホール付きICL」などと呼ばれます。

ホールが追加された目的は、眼内の房水(眼の中を循環する液体)の流れを自然に保つためです。従来型ICLでは、レンズが房水の流れを妨げないように別途「虹彩切開術」というレーザー処置が必要でしたが、ホール付きICLではレンズ自体に穴があるため、原則として虹彩切開術が不要になります。

なぜEVO ICLが現在主流なのか

現在、日本国内でICL手術を行うクリニックの多くで採用されているのが、このホール付きのEVO ICLです。理由は、追加処置が少なく、眼内圧の変化リスクや白内障の発生リスクを抑える設計になっているとされる点にあります。

「EVO」というのは、開発元のSTAAR Surgical社が提供する最新世代のICL(Visian ICL)のブランド名にあたります。「EVO ICL」「Visian ICL」「ホール付きICL」は、ほぼ同じものを指していると理解して差し支えありません。

球面ICLと乱視矯正ICL(トーリックICL)の違い

もうひとつの分類軸が、乱視矯正の有無です。乱視がない場合は通常の球面ICL(近視のみを矯正するレンズ)が選ばれますが、乱視がある場合は「トーリックICL」と呼ばれる乱視矯正用レンズが選ばれます。

トーリックICLは、レンズに乱視を矯正するための度数が組み込まれており、挿入時にレンズの向き(軸)を正確に合わせる必要があります。手術の難易度は少し上がりますが、乱視が強い方でも裸眼での視力改善が期待できる選択肢です。

トーリックICLが必要になるケース

トーリックICLが検討されるのは、一般的に乱視度数が一定以上のケースです。軽度の乱視であれば球面ICLでも実用的な視力が得られるとされますが、中等度以上の乱視がある場合、球面ICLだけでは矯正後も乱視によるぼやけが残ることがあります。

自分に乱視矯正が必要かどうかは、適応検査で測定した乱視の度数と医師の判断で決まります。「乱視があるかどうか自覚がない」という方も、検査で初めて分かるケースが少なくありません。

レンズの度数範囲

ICLは強度近視にも対応できる点が大きな特徴ですが、レンズの度数には認可されている範囲があります。一般的には、近視はおよそ −3D 〜 −18D 程度、乱視は +1D 〜 +6D 程度までを矯正できるレンズがラインアップされています(数値は概算で、製品や認可状況により異なります)。

レーシックでは対応が難しいような強度近視の方でも、ICLなら対応できるケースがあるのが大きな利点です。一方で、極端に強い度数や複雑なケースでは、ICLでも対応が難しいことがあるため、最終的には適応検査で判断されます。

レンズサイズの選び方

ICLレンズには、複数のサイズ(おもに4種類程度)があり、目の内部の大きさに合わせて選ばれます。サイズが合わないと、レンズが正しい位置に固定されなかったり、合併症のリスクが高まる可能性があるため、精密なサイズ計測が非常に重要です。

サイズ計測には、超音波での測定、前眼部OCT、UBM(超音波生体顕微鏡)などが使われます。クリニックによって採用している機器が異なるので、クリニック選びの段階でも確認したいポイントです。クリニックの選び方は「ICLのクリニックの選び方」で整理しています。

ICLレンズの種類比較表

ここまでの内容を比較表に整理します。あくまで一般的な傾向の目安なので、実際の選択は医師の診断によります。

分類 特徴 主な選択基準
従来型ICL ホールなし/別途虹彩切開術が必要 現在は採用が少ない
ホール付きICL(EVO ICL) レンズ中央に穴/追加処置が原則不要 現在の主流
球面ICL 近視のみを矯正 乱視が軽度または無し
トーリックICL 近視+乱視を矯正/軸合わせが必要 乱視が中等度以上

クリニックによって取り扱っているレンズの種類が異なる場合もあるため、複数の選択肢を提示してくれるクリニックを選ぶと安心です。

種類によって費用は変わるか

レンズの種類によって、費用は変わります。一般的には、乱視矯正のトーリックICLのほうが球面ICLより費用が高めに設定されていることが多く、両眼で数万円〜十数万円の差が生じるケースがあります。

また、近年主流のEVO ICLを採用しているクリニックでは、従来型より少し費用が高く設定されている場合もあります。ICL全体の費用相場や医療費控除の使い方は「ICL手術の費用相場と医療費控除を徹底解説」を参考にしてください。

自分に合うレンズは医師との相談で決まる

「EVO ICLが主流」「乱視があるならトーリック」といった一般的な傾向はありますが、最終的に自分に合うレンズは、適応検査の結果と医師の総合的な判断で決まります。自己判断で「このレンズがいい」と決めるのではなく、検査結果と医師の説明を踏まえて選ぶのが基本です。

カウンセリングで「どのレンズが候補になるか」「なぜそのレンズなのか」「他に選択肢はあるか」を確認しておくと、納得して手術に臨めます。デメリットや向き不向きの理解は「ICLのデメリットと後悔しないための注意点」もあわせて参考にしてください。

レンズの種類が術後の生活に与える影響

レンズの種類は、術後の生活にも少しずつ影響します。トーリックICLでは、レンズの軸がずれないかを定期検診で確認する必要があったり、ホール付きICLでは追加処置が原則不要なため術後の通院負担が減ったりします。

とはいえ、いずれのレンズでも術後の定期検診は長期的に続くことが基本です。術後の生活の流れは「ICL手術後の生活と注意点」で整理しています。

まとめ

ICLレンズは「ホール付き/なし」「乱視矯正の有無」「度数」「サイズ」の組み合わせで種類が分かれます。現在はホール付きのEVO ICLが主流で、乱視がある方にはトーリックICLが選択肢に入ります。

どのレンズが自分に合うかは、適応検査の結果と医師の判断で決まる領域です。複数のレンズに対応しているクリニックを選び、カウンセリングで選択肢の説明をていねいに受けることが、納得のいくICL手術につながります。

参考サイト

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