はじめに
ICL手術は高い満足度が期待できる手術として知られる一方、実際に受けた人の中には「思っていたのと違った」「もっと調べておけばよかった」といった後悔の声を挙げる人も一定数存在します。
この記事では、ICLでよく指摘される後悔の理由を整理し、事前にチェックしておくことでカバーできるポイントをまとめます。これまで解説してきた各テーマへのハブ記事という位置づけでもあるので、気になる項目があれば個別記事もあわせて確認してみてください。後悔の理由の多くは、実は事前の情報収集や適応検査の段階で防げるものが多いというのが、整理してみて感じたことです。
後悔の理由①:夜間の見え方の変化を知らなかった
手術後にハローグレア(夜間の光のにじみ・まぶしさ)を感じて、「事前にもっと詳しく知っておきたかった」と感じる人がいます。この現象自体は珍しいものではなく、多くの屈折矯正手術に共通するリスクですが、知らずに直面するのと、想定したうえで直面するのとでは受け止め方が大きく変わります。詳しくは「ICLで見えるハローグレアとは」で解説しています。
後悔の理由②:メリットばかりに気を取られていた
「視力が良くなる」というメリットに注目するあまり、リスクやデメリットの説明を十分に理解しないまま手術に進んでしまうケースもあるようです。カウンセリングの場でメリットの説明ばかりに気を取られ、リスク説明の部分を聞き流してしまう、というのはよくある落とし穴です。ICLにも一定のデメリットやリスクは存在し、事前にそれを理解しておくことが、後悔を減らす第一歩になります。デメリット全般は「ICLのデメリットと後悔しないための注意点」で整理しています。
後悔の理由③:クリニック・執刀医選びを比較検討しなかった
「最初に相談したクリニックでそのまま決めてしまった」というケースも、後から他院と比較すればよかったと感じる理由の一つとして挙げられます。同じICL手術でも、クリニックや執刀医によって症例数や説明の丁寧さ、料金体系には差があるため、複数のクリニックで話を聞いてから判断することをおすすめします。執刀医選びのポイントは「ICL執刀医の選び方」で解説しています。
後悔の理由④:適応検査の結果を軽視した
適応検査で懸念点を指摘されていたにもかかわらず、十分に理解しないまま手術に進んでしまい、後から気になる症状に悩まされるケースもあるようです。適応検査は「受けられるかどうか」だけでなく「自分の目にどんなリスクがあるか」を知る機会でもあります。適応検査の内容は「ICLの適応検査とは?」で解説しています。
後悔の理由⑤:老眼など将来的な変化を考慮しなかった
手術時点の近視・乱視の矯正だけを考え、将来的な老眼への対応まで考えていなかったことを後悔する人もいます。ICLは老眼そのものを防ぐものではなく、将来的な見え方の変化は別問題として理解しておく必要があります。詳しくは「ICLと老眼の関係」で解説しています。
後悔の理由⑥:適応外だった可能性を確認しなかった
1つのクリニックで「難しい」と言われてすぐに諦めてしまい、後から他の選択肢を知って「もっと調べればよかった」と感じるケースもあります。ICLが適応外でも、レーシックやPRKなど他の選択肢が残されている場合があります。詳しくは「ICL適応外だった場合の選択肢」で解説しています。
後悔の理由⑦:術後生活のイメージができていなかった
手術そのものへの意識は高くても、術後しばらくの生活面での制約(激しい運動や飲酒の制限、定期検診の必要性など)を具体的にイメージできておらず、いざ始まってから「思ったより不便だった」と感じるケースもあるようです。術後の生活について事前に理解しておくことで、こうしたギャップは減らせます。詳しくは「ICL手術後の生活と注意点」で解説しています。
後悔の理由⑧:一人で抱え込んで判断してしまった
手術を受けるかどうかを一人で抱え込み、十分に情報を集めきれないまま決断してしまったことを後悔する人もいます。家族や信頼できる友人に相談する、複数の情報源を比較するなど、一人で完結させずに判断材料を増やすことも、後悔を減らす一つの方法です。
後悔を防ぐための事前チェックポイント
ここまでの内容を整理すると、事前に確認しておきたいポイントは次のようになります。
| チェック項目 | 確認する目的 |
|---|---|
| ハローグレア等のリスク説明を受けたか | 夜間の見え方の変化を事前に理解する |
| デメリットも含めて説明を受けたか | メリットだけに偏った判断を避ける |
| 複数のクリニックを比較したか | 執刀医・症例数・説明の丁寧さを見極める |
| 適応検査の結果を十分理解したか | 自分の目のリスクを正確に把握する |
| 老眼等の将来的な変化を考慮したか | 長期的な視点で判断する |
これらはあくまで一般的に指摘される傾向の整理であり、後悔するかどうかは個人差が大きい点は理解しておいてください。すべてを完璧にクリアしなければ手術を受けられないというわけではなく、あくまで判断材料の一つとして活用してもらえればと思います。
後悔しやすい人の傾向
一般的に指摘される傾向として、「即決してしまう人」「情報収集を1つのクリニックだけで済ませてしまう人」「キャンペーンや割引に強く惹かれて検討する人」は、後から振り返って後悔を感じやすい傾向があるとされています。もちろんこれはあくまで傾向であり、即決した人が全員後悔するわけではありません。
逆に言えば、時間をかけて複数の情報源を比較し、リスクも含めて理解したうえで判断した人は、納得感を持って手術に臨みやすいとも言えます。判断のスピードそのものよりも、判断の材料をどれだけ集められたかが重要だと考えられます。
後悔した人ばかりではないことも理解しておく
後悔の声に注目が集まりやすい一方で、満足している人の声のほうが多いとされています。SNSやレビューでは後悔の声のほうが目立ちやすい傾向がありますが、それだけを見て過度に不安になる必要はありません。満足している人はわざわざ声を上げないことが多く、ネガティブな声のほうが拡散されやすいという情報の偏りがあることも意識しておくとよいでしょう。事前準備をしっかり行ったうえで判断すれば、満足度の高い結果につながる可能性は十分にあります。
費用面での後悔を避けるために
費用面についても、「思ったより高くついた」「もっと安いクリニックがあった」といった後悔の声があります。安さだけでクリニックを選んでしまい、後からオプション費用がかさんで想定以上の出費になった、という声も見られます。費用相場や医療費控除・生命保険の給付金といった制度を事前に把握しておくことで、費用面での後悔は減らせる可能性があります。「ICL手術の費用相場と医療費控除を徹底解説」もあわせて参考にしてください。
これから検討する人へのアドバイス
これからICLを検討する方には、「メリットだけでなくリスクも含めて理解したうえで判断する」という姿勢をおすすめします。後悔の理由の多くは、事前の情報収集や複数クリニックでの比較検討によってカバーできるものです。
焦って決めるのではなく、納得できるまで質問し、時間をかけて判断することが、後悔しない選択につながります。カウンセリングで聞きにくいと感じる質問こそ、実は一番確認しておくべき内容であることも多いので、遠慮せず聞く姿勢を持っておくことをおすすめします。
まとめ
ICLで後悔しないためには、メリットだけでなくリスクやデメリットも理解したうえで、複数のクリニックを比較し、適応検査の結果を正しく受け止めることが重要です。老眼など将来的な変化への理解も含めて、長期的な視点で判断してください。
焦らず時間をかけた事前準備が、満足度の高い結果につながる一番の近道だと考えられます。この記事で紹介したチェックポイントを一つずつ確認しながら、納得したうえで判断を進めてもらえればと思います。
参考サイト
公的機関・学会の情報
- 日本眼科学会「屈折矯正手術のガイドライン」第8版
https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=700&dispmid=909 - JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)「有水晶体眼内レンズ情報FAQ」
http://jscrs-icl.org/contents/faq.html - 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医療機器情報検索」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch/
